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潜在看護師の活用

看護師資格を持ちながらも看護師として働いていない人を「潜在看護師」と呼びます。全国に50万人以上いるといわれており、この潜在看護師を上手く活用することが看護師不足を解消する一助となります。潜在看護師を現場に復帰させるために、各医療機関は様々な取り組みを行っています。

潜在看護師の活用

横須賀市の例

神奈川県横須賀市は潜在看護師の現場復帰と現役看護師の離職防止を目的とした市民協働事業を発足しました。就職説明会を実施するなどして、看護師の充足を目指しています。横須賀市の正看護師従業者数は2010年度の時点で2,801人、2012年度の時点で2,867人と若干ながら増加しています。それでも十分に足りているとはいえない状況であり、地域医療推進課が試算した推計ではあと200人ほど不足しています。
そのような状況の中で横須賀市が看護専門学校での人材育成と同時に取り組んでいるのが、結婚や出産などの理由で現場を離れた潜在看護師の復職支援です。市が開催する就職説明会では「近年の医療動向と看護職の職場環境」と題した講演や復職した潜在看護師の体験談スピーチなどを実施し、現場復帰に対する不安を解消するための取り組みを行っています。この説明会は「NPO法人看護職キャリアサポート」との協働モデル事業であり、実行委員には現場の事情を熟知した市内の病院に勤める看護部長を交えながら、キャリア支援や看護職の状況調査を行っています。
なお、県内の離職率は全国的に見ても高い状況で、東京と大阪に次いでワースト3位という状況です。そのため、若い看護師を対象にパワーアップ研修やキャリアデザイン研修を行い、多くの看護師が抱える不安や悩みを解消するなど、現役看護師の職場定着に向けた取り組みも行っています。

東京にある大学病院の例

東京のとある大学病院では、看護人材派遣会社と手を組んで潜在看護師の復職支援プログラムを行っています。病院が潜在看護師の再教育を担当し、人材派遣会社が人材の募集と就職支援を行うという仕組みです。就職前に時間をかけて研修を受けることで、ブランクに対する不安を軽減することが狙いです。講習は病院の施設を利用して行い、講師は各分野の専門家が担当します。離職期間に応じて5日間コースや10日間コースなど講習内容を分けて開催し、学んだことを臨床現場ですぐに活用できるように実習を重視した内容となっています。少人数でマンツーマンに近い指導ができるため、自信のない人でも確実に技術を習得できます。

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